DV(ドメスティック・バイオレンス)は、パートナーに対する許しがたい犯罪行為です。近年では警察や専門機関への相談件数も増加傾向にあり、従来以上に強い対策が求められるようになっています。しかし、警察や専門機関に相談しても、期待したほどの対応をしてくれないケースは少なくありません。

 

そんな時に役立つのが、探偵のDV調査です。DVは表に出にくい問題ではありますが、意外と探偵の能力が役立つ場面は多く、活用すれば問題解決の大きな助けとなります。ここでは、DV対策における探偵の役割や、探偵のDV調査の方法をご紹介します。

 

DV調査の目的は証拠の入手。特に「目に見えにくい被害」の証拠が重要

探偵のDV調査の目的は、DVの確実な証拠を入手してDV問題の解決につなげることです。DVへの対抗策としては、警察を動かして接近禁止命令を出してもらったり、弁護士の力を借りて離婚・慰謝料請求に持ち込んだりといった方法があります。あまりに悪質な場合は、警察に逮捕・書類送検してもらい刑事罰を科すこともできるでしょう。

 

ただ、いずれの場合でもDVの証拠は必須です。証拠が少ないために、警察が強い動きに出られないケースも珍しくありません。そこで、まずDVの種類を確認しておくと、大きく分けて以下のようなものがあります。

 

身体的暴力…殴る、蹴る、髪を引っ張る、物を投げつける、刃物を突きつけるなど

精神的暴力…大声で怒鳴る、無視する、中傷する、発言権を与えないなど

経済的暴力…生活費を渡さない、働くのを許可しない、家計を厳しく管理するなど

性的暴力…性行為の強要、性行為の拒絶、避妊の拒絶、中絶の強要など

社会的暴力…交友関係の監視・制限、外出の制限、メールやSNSの監視など

 

これらのうち、身体的暴力は病院で診断書を取れば証明できますし、経済的暴力は預金通帳の記録などから証明可能です。しかし、精神的暴力や社会的暴力は目に見える証拠が残りにくく、自力での証明は簡単ではありません。肉体的暴力にしても、傷が残らないように行われると証明が困難です。

 

そのため探偵のDV調査は、こういった「目に見えにくい被害」の証拠確保を中心に行われます。もちろん、目に見える被害の証拠も、探偵が協力すればより確実に残すことが可能です。

 

■探偵のDV調査の方法:隠しカメラやレコーダーによる撮影・録音

DV調査の基本となるのが、隠しカメラやレコーダーを使ったDVの様子の撮影・録音です。DVは家の中で行われることが多く、探偵が中に入って撮影するというわけにはいきません。そのため、隠しカメラを仕掛けたり、依頼者にレコーダーを持ってもらったりして記録を残すのです。

 

こう聞くと、「それくらいなら自分でもできるのでは?」と思う方もいるでしょう。しかし、市販のカメラやレコーダーは性能が十分とは限らず、証拠の撮影・録音に失敗することが少なくありません。何より、設置の方法によっては加害者に見つかってしまうおそれもあります。確実な証拠保全のためには、探偵の貸し出す高性能な機器を、正しいレクチャーのもとに使う方がいいのです。

 

■探偵のDV調査の方法:張り込みによる現場の撮影・録音

DVの様子が窓を通して確認できる場合や、怒鳴り声・争う音が外に漏れている場合などは、自宅周辺での張り込みによる撮影・録音を行うこともあります。使える状況が限定されるものの、探偵が直接撮影・録音を行うため、より確実に証拠を保全できます。

 

■探偵のDV調査の方法:尾行による現場の撮影・録音

DVが外出時に行われている場合は、尾行による現場の撮影・録音も可能です。隠しカメラに頼れない場面だけに、探偵のメリットがより大きくなります。暴行や罵倒はもちろんですが、人前でパートナーを馬鹿にしたり執拗に嫌味を言ったりといった行為も立派なDVです。心当たりがあるなら外出時の調査も行いましょう。

 

■探偵のDV調査の方法:第三者への聞き込み

第三者への聞き込み調査も、証拠固めのために実施するケースがあります。もしかすると、近所の人が怒鳴り声や大きな物音を聞いていたり、暴行の瞬間を目撃していたりするかもしれません。それらの証言が得られれば、有用な補強材料となります。

 

■探偵のDV調査の方法:盗聴器や隠しカメラの発見

DVの加害者は、パートナーを監視したり弱みを握ったりするために、自宅に盗聴器や隠しカメラを設置する場合があります。探偵の知見と最新の機材を用いれば、まったく気づいていなかった盗聴器や隠しカメラも発見することが可能です。ただし、迂闊に撤去すると加害者を刺激することもある他、再設置されてしまう可能性も高いので、撤去のタイミングはよく考える必要があります。

 

■探偵のDV調査の方法:証拠の保全方法などの助言

依頼者自身ができるDVの証拠保全としては、日記・メモによるDVの内容の記録や、病院での診断書の取得、負傷部位の写真撮影、メールやSNSのメッセージの保存、生活費の不払いがわかる通帳記録の確保などがあります。こういった対策を行うよう助言し、より多くの証拠を積み上げられるようにするのも探偵の役割です。

 

■探偵のDV調査の方法:依頼者の精神的なケア

DV調査とセットで必ず行うべきなのが、依頼者の精神的なケアです。DV(特に精神的暴力)の被害者は精神的に弱ってしまい、自分はダメな人間で加害者が正しいと考えていることが珍しくありません。このような状態では、DVに立ち向かうのは困難です。証拠の確保にも消極的になり、隠しカメラの設置すら悲観的に捉えてしまうこともあります。

 

そのため探偵は、何よりも依頼者の話に耳を傾けて不安を解消し、調査に前向きになれるよう努めています。依頼者と信頼関係を構築し、何でも相談できるパートナーになることが、探偵の最も重要な仕事といってもいいでしょう。