これまで何度か企業からの情報不正持ち出し事件をご紹介してきました。ソフトバンク、はま寿司、横浜の眼科医院、ハウスドゥ……。これらの企業から情報が持ち出された理由は、いずれも転職先や独立先の利益につなげるためでした。
しかし世の中には、もっと悪質な理由で勤務先から情報を持ち出す人もいるのです。今回は、大和証券からの顧客情報不正持ち出し事件を参考に、情報漏洩防止の重要性について解説します。
【参考】
■大和証券の元従業員が、顧客情報の不正持ち出しで逮捕
2021年12月1日、大和証券の元従業員の男が窃盗の容疑で逮捕されました。容疑の内容は、男が大和証券福岡支店に勤務していた2017年10月10日~2019年7月25日ごろ、同支店から顧客リスト3枚を不正に持ち出したというものです。他にも顧客リスト7枚の流出が判明しており、漏洩した顧客情報は合計426名分に上ります。
容疑者は2019年7月に退職済みで、流出の事実は2020年4月に発覚。大和証券はすぐに公表するとともに被害届を提出し、1年8ヶ月経ってようやく逮捕に至りました。流出した顧客リストには、顧客の住所氏名や職業、口座番号、預かり資産額、金融資産などが掲載されているとのことです。今のところ具体的な被害は確認されていないそうですが、今後どうなるかはわかりません。
■発覚の経緯は流出したリストの持ち込みだった
今回の事件の容疑者は黙秘しており、情報を持ち出した理由などは今のところ報道されていません。しかし、ヒントになりそうなものが1つあります。顧客リストの流出が発覚した経緯です。
実は2020年4月、大和証券姫路支店(兵庫県)に男の声で「会社の顧客情報を持っている」との電話があり、同じ日に男が盗まれたとみられる顧客リストを持ち込むという騒ぎがありました。これがきっかけとなって流出が発覚したのです(それまで気づきもしなかったというのが何とも……)。
この騒動の詳細や男の素性、目的などは明らかにされていません。何らかの理由でリストを入手した人が善意で報告したのか、顧客情報を人質に金を脅し取ろうとしたのか……。いずれにしても、顧客リストが第三者の手に渡ってしまったのは確かです。何しろ、福岡で盗まれた情報が兵庫に持ち込まれたのですから、相当拡散しているおそれがあります。
おそらく容疑者は、いわゆる名簿業者や反社会的勢力などに売却する目的で、顧客リストを持ち出したのでしょう。もちろん、自分で人を使って古巣からお金を脅し取ろうとした可能性もあります。大変な裏切りとしか言いようがありません。
■被害の拡大を防ぐため、不審な従業員の調査を!
今回の事件では、大和証券の情報管理の脆弱さも露呈しました。流出発覚後にセキュリティの強化などの再発防止策を打ち出したものの、大手証券会社としては情けない話で、顧客の信頼を裏切ってしまったのは否定できません。何しろ、情報というものはいくらでもコピー可能。容疑者や関係者をどれだけ逮捕しようと、一度流出してしまえば回収できないのです。
このような事態を防ぐためにも、会社の情報管理を徹底するとともに、不審な動きを見せている従業員がいればすぐに対応する必要があります。単に怪しいというだけでは警察は動きにくいため、探偵に社員素行調査を依頼するのがベストです。不審な人物との接触がないか、重要な情報を渡していないかといったことを、徹底的に調べましょう。
■静岡県の従業員の素行調査は、スマイルエージェント静岡にお任せ!
今回のような事件は、転職先のために情報を持ち出すケースとはまた違った怖さがあります。しかし、許されない裏切り行為である点に違いはありません。会社の信頼に関わる問題ですから、「何か変だな」と思ったらすぐに調査をすることが大切です。まずはスマイルエージェント静岡までお気軽にご相談ください。